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横隔膜と、胃の不快感


こんにちは! コンちゃんです。

みなさんは横隔膜(おうかくまく)を意識したことありますか?
肋骨のすぐ下に深く手を差し込むと簡単に触れるのですが、意識したことがある人は稀ではないでしょうか。

呼吸ができなくなると、人は生きていられません。
横隔膜は呼吸が楽にできるように、わたしたちが息を吸う時には下がり、息を吐く時には上がって、常に肺をアシストしてくれています。
これを毎日果てしなく繰り返しています。
ありがとうね、横隔膜さん。
いや、横隔膜くん、かな。
そこどうでもいいか。

この『呼吸』に関わる横隔膜、実は『自律神経』とも深い関係にあります。
横隔膜が・・・というよりも、呼吸が自律神経と直接関わっているのですが、そのことについては後々詳しくお話できたらと思っています。
そして今回のテーマ、『胃』との関係も見過ごせません。
それから更に、横隔膜は『背中』とも無関係ではありません。
意外でしょう?
ご興味がある見出しのところだけでも読んでみてくださいね。(『背中』との関係については次回からお話しします)

収縮(縮むこと)して硬くなった横隔膜は、少しくらいならご自身で比較的簡単に緩めることができます。
すると胃の痛みや不快感が消えることがあります。
やり方はご来院の際、お尋ねくださいね。


目次

呼吸筋と胃の関係

今回は同じ症状をお持ちだったおふたりを例に書いてみたいと思います。

~ デスクワークと胃の痛み ~


aさんは40代男性。bさんは60代女性。
おふたりとも数か月前から胃の調子が悪く、aさんは逆流性食道炎と診断もされていました。

aさんは病院で処方されたお薬を、bさんはドラッグストアで購入した胃薬を毎日飲んでいたそうです。

聞くとaさんの職場には、aさん以外にも同じように胃の不快感で悩んでいる方がいらっしゃるそうで、デスクワークの方は胃の不調を抱えやすいのかな・・・と思いました。

おふたりが十十重へご来院された理由はこの症状を訴えてのことではなく主に首肩のつらさでしたが、
いろいろおしゃべりしていた時に何気なく「最近胃の調子が悪くて・・・」とおっしゃったのでした。

年齢も性別も違うおふたりですが、共通点がひとつありました。
それは一日中パソコンの前で過ごすデスクワークだということ。
残業はほぼ毎日で、休日出勤もされているそう。大変お疲れさまです!


~ 前かがみになることで疲弊する内臓たち ~


デスクワークの方に限らず、現代人であるわたしたちは、スマートフォンやパソコンを多くの時間使用していることもあって、猫背になりやすくなります。

すると、通常は真っ直ぐであるはずの腰が屈曲してしまいやすく、そのせいで内臓が圧し潰されてしまいます。

圧し潰された内臓は、下へと下がってしまいます。
正しい位置にないと、内臓の働きは低下しやすくなります。
腰が屈曲したままだと、上半身の血液や神経の通りも悪くなり、呼吸も浅くなります。

姿勢を正すことの必要性、わかっていただけるでしょうか。

さて今回コンちゃんがお話ししたいのは、aさんbさんおふたりの胃の不快感は “このせい” もあったのかもしれない・・・ということです。(ただし “ このせい ” が全てとは限りません)


~ 横隔膜の働き ~


コンちゃんが考えた “このせい” とは、『横隔膜の機能低下』です。
横隔膜の機能低下により、胃の不快感が出たのかもしれないと考えたのです。

「横隔膜って、呼吸をするための筋肉じゃないの? 胃とも関係あるの?」

誰かのそんな質問がコンちゃんの耳に届きました。
コンちゃん、耳もいいので。ふふん♪ (←“耳も”って、他に何が?)

・・・コホン(咳払い)。
その通りです。横隔膜は呼吸と関わりが深〜い筋肉です。
というか、呼吸をするための筋肉です。
だから今回のお話、呼吸の話を差し置いて進めることはできません。
胃との関係をお話する前に、横隔膜がどのように呼吸と関わっているのかをお話させていただきますね。


~ 呼吸とは ~


呼吸には3種類あります。
腹式呼吸・胸式呼吸・胸腹式呼吸の3つです。

<腹式呼吸>-----お腹で呼吸することですね。主に、わたしたちが眠っている時に自然と行っているものです。この時、主に横隔膜の収縮によって呼吸が行われています。

<胸式呼吸>-----胸で呼吸することで、浅い呼吸になっている状態の時にしている呼吸です。主に肋間筋の収縮によって胸腔が広がり呼吸が行われています。

<胸腹式呼吸>--起きている時、普段わたしたちが行っているもので、一般的な呼吸です。その名のとおり、胸とお腹の両方で呼吸していて、横隔膜と肋間筋の収縮によって呼吸が行われています。

呼吸に関わる筋肉は横隔膜・内外肋間筋・前鋸筋・腹斜筋、他にも首の筋肉などいくつもありますが、直接肋骨にくっついている
横隔膜(体の前面、肋骨の内側に収まる筋肉。上下に動くことで肺が膨らんだり縮んだりする)
肋間筋(“ろっかんきん” 肋骨一本一本の間にある筋肉。外肋間筋は息を吸う時、内肋間筋は息を吐く時に働く)
は呼吸筋の代表で、これらの筋肉が硬くなってしまうと、空気をうまく取り入れること・吐き出すことがしにくくなり、浅い呼吸になるのです。



ここで「?!」となった方もいらっしゃるかもしれませんね。
「横隔膜って、筋肉なの?」
と。
そうなんです! コンちゃんもこの仕事を始めるまで知りませんでした!
“膜”と名前に付いてはいるけど、薄い膜になっているわけではなく、立派な筋肉なんです。

横隔膜は内臓のひとつで、平滑筋という種類の筋肉でできていますが、内臓全部が筋肉でできているわけではありません。
肝臓などはわかりやすいですよね、レバーですからね。(←この表現ってどうなのかしら)
それと、わたしたちが普段意識して動かしている筋肉を『骨格筋』といいますが、内臓の筋肉はどれも骨格筋ではないので意図的に動かすことはできません。
同じ理由で、筋トレのように直接鍛えることも難しいですね。


話が横道に逸れました。
わたしたちが起きている時に普段行っている呼吸の多くは胸腹式呼吸です。
具体的には以下のような仕組みになっています。

息を吸う時には
① 横隔膜と外肋間筋が収縮し(縮むこと)、横隔膜が下がる
② 肋骨が挙上する(=引き上げられる・開く)ことで胸腔が大きくなり(=胸腔内の圧が下がり)、肺が広がる
③ 肺に空気が入る

息を吐く時には
① 外肋間筋と横隔膜がゆるみ、内肋間筋が収縮する
② 横隔膜が上がり肋骨が下がることで肺が収縮する
③ 肺の空気が外へ出る

書きながら、ピタゴラスイッチの音楽が頭の中を巡っていましたが、コンちゃんだけでしょうか(笑)。

横隔膜も肋間筋も、呼吸が浅くて肋骨がうまく開くことができないとどんどん硬くなり、肋骨の動きを余計阻害してしまいます。
(他の筋肉もそうです。きちんと働くことができなくなった筋肉は硬くなります。また、硬くなった筋肉はきちんと働くことができなくなるともいえます)


~ どうして横隔膜は硬くなる? ~

では横隔膜が硬くなってしまうのはなぜかというと、
・加齢によるもの
・姿勢が前かがみになるせいで横隔膜が圧迫され続けてうまく働けなくなること
などが挙げられますが、他にも、
・ストレス
が大きく関わっています。
ストレスは年齢に比例しないので、若い方でも横隔膜が硬くなっている方が多く見受けられます。
横隔膜とストレスが関係あるなんて、ピンと来ませんか?

わたしたちが自分で動かすことができる筋肉は骨格筋だとお話ししましたが、
骨格筋は運動神経支配(運動神経が筋肉を支配しているということ)で、
内臓や血管壁などの臓器をつくっている筋肉(心筋や平滑筋)は自律神経支配(自律神経が筋肉を支配している)です。
そして横隔膜は運動神経と自律神経の両方の支配を受けている筋肉であり臓器です。
運動神経は今回置いといて、

横隔膜は自律神経が直接作用する臓器だからストレスの影響を受けやすく、
ストレスや姿勢のせいで横隔膜は硬くなり、うまく働けなくなる。
すると直接関わっている呼吸に影響を及ぼし、呼吸は浅くなる、というわけです。

深呼吸をすると少し気持ちが安定するように、自律神経と呼吸は密接に関わり合っています。
おふたりとも非常にまじめな方ですし、肩に不調を抱えるほど肩に力が入っているので、おそらく交感神経優位になりやすく、副交感神経が上手に働けていないのではないでしょうか。

姿勢の乱れが続き、また、ストレスを抱え続けていると、横隔膜はますます縮んで硬くなってしまうという悪循環に陥ってしまいます。


~ 横隔膜と胃 ~

長々と書いていたら、コンちゃん何をテーマにしていたのか忘れてしまって、横隔膜と胃がどう繋がるのかをまだお話していませんでした!(汗)
タイトルにしておきながら。(笑)
失礼しました。


横隔膜は、食道と胃の間にあります。
食道と胃は繋がっていますから、横隔膜が上下運動をスムーズにできない状態だと、通り道を圧迫してしまいます。胃の一部を横隔膜が圧し潰してしまうこともあります。
そうすると当然、胃の本来の働きが阻害されてしまいます。

また、姿勢が悪いことでも胃は押しつぶされて、正常な働きができにくくなります。
単純に考えて、腰を屈曲した状態で食事ってしづらいのではないかと思います。あまり食べられないのでは?

こういったことから、横隔膜を正しく機能させることが必要なのではないかと考えます。


~~★~~


話をaさんとbさんのおふたりに戻します。

コンちゃんもスギさんもお医者さんではないので、逆流性食道炎や胃の病気を直接治すことはできません。
ただ、横隔膜や肋骨が働きやすい状況をつくり、屈曲した腰のせいで下がった胃の位置を元に戻すことはできます。
首肩とも無関係とはいえない肋骨周りの硬くなった筋膜の癒着を取り、筋肉をゆるめてみました。
横隔膜がゆるんでくると、呼吸がしやすくなられたようで、無意識に大きく息を吸っていらっしゃるのが特徴的でした。

それから2週間ほど経って、おふたりはまたご来院になりました。
それとなく、「胃の調子はどうですか?」と聞いてみました。
するとおふたりは、「・・・あれ?そういえば、最近気にならないような」とおっしゃいました。
たまたまかもしれないし、ストレスが最近軽減しているのかもしれません。
逆流性食道炎は治っていないかもしれません。
横隔膜はまだ硬さが残るけれど、前回よりも明るく笑ってらして、呼吸も以前より楽なご様子でした。
病気がそのまま治らず残っていたとしても、楽に感じたり、違和感を感じにくくなることも実はあるのです。


ではまた次回。
博多の整体院と言ってはいますが、本当は博多駅と東比恵駅の中間に位置する、十十重~ととのえ~のコンちゃんでした。



※ 十十重~ととのえ~では必ずしも胃の不快感を取り除けるわけではありません。

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