足関節の重要性
まず今回は足関節についてです。
4つのなかでも、特に十十重～ととのえ～で重視しているのは足関節です。足関節とは足首から下の部分のこと。二足歩行の人間にとって、身体の一番下にある足関節にかかる負担が大きいのは想像しやすいと思います。足関節は歩き方や座り方・立ち姿勢のくせで、動きが悪くなって固まりやすくなります。足首の可動域が小さい・重心が片寄る・足裏のアーチが崩れる・腓骨が下がって距骨がズレる・リスフラン関節や中足骨など足首以外の関節の動きが悪いなどの状態になります。具体的じゃないとわかりづらいためちょっと専門用語を出してしまいましたが、足関節の状態が乱れると身体に大きな影響をおよぼすのです。
目次
肋骨の重要性
足関節と「むくみ」「冷え」の関係
私たちは足首をしっかり動かすことで、下腿（ひざ下）に付着する筋肉を意図的に伸ばす ⇔ 縮めるという運動を繰り返しています。ただ歩くために行うのではなく、下腿の筋肉を伸縮させることで下腿につく筋肉がポンプの役割をし、下に下がった血液をスムーズに上へ上へと戻しているのです。そうやって血液を循環させているのですね。
あまり歩かない、1日中立ちっぱなし、運転やデスクワークで座ってばかりの方は、そのポンプが正常に働くことができません。血液は心臓から絶えず押し出されて身体中を流れてはいますが、ポンプがしっかり機能しないと下から押し返す力が弱まり、血液の循環がうまくいかなくなります。
血液の循環が悪くなることで起こる大きな問題は2つあります。それがむくみと冷えです。
血液の循環が悪くなると、血液が回収するはずの老廃物も回収されにくくなります。リンパがそれらを回収しますが、そのすべてを回収することはできませんし、血液の循環が悪くなるとリンパの働きも弱くなります。すると足元に老廃物がたまり、むくみが発生するのです。むくみは一時的なものなら心配はいりませんが、放っておくと戻らなくなって脚が太くなったり、内臓の病気に繋がったりすることもあるのできちんとリセットしていきたいですね。
また、足（足首から下）はつま先に行くにしたがって小さな血管（毛細血管）がたくさんあるので、もともと隅々にまで血液が流れにくくなりやすい部分。足は血液を押し出す心臓から一番遠いこともあって、特にそうなりやすいです。そのせいで、血液の循環が悪くなると冷えを感じやすくなります。毛細血管に血液が流れない状態が続くと、その部分の血管は消えてなくなるそうです。
そうなると余計に冷えは悪化していきます。
末端の足だけが冷えを感じるだけでも眠りにつきにくいなど弊害が起こりますが、問題は冷えた血液が身体を巡るようになることで、身体がどんどん冷えていくことです。悪化させると内臓まで冷やすことに…内臓が冷えると、あらゆる病気をもたらす原因にもなります。
足関節 → 股関節 → 全身へ
足関節の状態は直接、股関節に影響します。
私たちは何気なく立ったり歩いたりしていますが、うまく筋肉や関節などを使ってバランスを取りながら脚（太ももの付け根である股関節から下）全体を動かしています。足関節と股関節は立つ・歩くという動作に直接かかわる箇所なので、足関節と股関節が正しく働くことができなくなると、余計に立つ・歩くという動作に支障をきたしてしまいます。すると今度は、真ん中にある膝に影響が出てくるのです。
足関節の影響が出るのは股関節と膝だけではありません。
脚に疲労が溜まってくると立つ・歩くという動作がつらくなるので、私たちは少しでも楽な姿勢をとるため無意識にカバーしようとしてバランスを取り直します。自分ではバランスを取っているつもりでも、身体は無理な体勢に苦痛を感じているので、その状態が続くと歪（ひずみ）となり、いずれあちこちに不調があらわれてきます。不調は足関節から遠い首にあらわれることも。
「鍛える」前に「整える」
あと、こわいな…と思うのが「毎日1万歩も歩いているから大丈夫」という方です。
先ほど動かさないと下に下がった血液は滞るとお話ししましたが、もしも歪んだ足関節のまま足を酷使し続けていると、必ず身体を壊します。これは足関節に限ったことではありませんが、どの筋肉や関節も、正しい状態で使わないと逆効果になるのです。鍛えていれば筋肉は強くなるので、ある程度歪みがあったとしても、痛みを感じにくい状態を保っていくことはできます。ただし「正しい状態で使わないと」身体への違和感や痛みは必ずあらわれてきます。見落としがちな部分なので、ご注意を。
足関節は、私たちの身体を支えるためにとっても頑張ってくれているのですね。きちんとケアして、健康な身体をつくっていきましょう。